寂しさのベクトル/アマル・シャタカ
 
飽きられるのって悲しいね 淋しいね
いつか自分も 
飽きるのだろうし 
飽きられるのかもしれないけれど

一人でいるのも悲しいし 寂しいね
けっきょく人は寂しくて 悲しいね

寂しいから愛するの?
悲しいから愛するの?
愛するから淋しいの?
愛するから悲しいの?

埋まらない心の奥底に眠る
君の瞳から流れ出る寂しさに僕が溺れても
波間に漂うことが出来るなら寂しくはないのに

悲しみに暮れる心を取り出して
鳥の姿に削り出し
君に続くだろう空に飛ばしてみよう
そうすれば悲しくはない

自分の背中も見られない一人の寂しさより悲しさより
君の淋しい背中にそっと手を置ける 二人の淋しさ悲しさが
僕には愛おしい

同じ寂しさの雨に打たれるのなら
一人で傘を差しても濡れるより
君に傘を貸して僕だけが濡れるほうがいい

飽きられても悲しくても淋しくても

そんな君が愛おしい

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