じゅうに/かぜきり
振り返り
振り返りて
揺れまどう
振り子は
東から西へ
と
羊を追いて
ほをすすめてとおし
積もったほこりは あかるさゆえに宙を舞い
はにこすれてかぜは てんてんと夜をつたう
振り返り
振り返りて
落ちつづける砂は
南から北へ
と
小鳥を追いて
はねをやすませることもなく
鏡のきれはしを
覆う翅は
表へと孵り
翼を求め
自他の境に
かぞえを構えて
粒をなし
咆哮をただ かかえこんで笑顔を積もらせ
しなしなと輝く
言葉色の言葉をかきあつめ
ただいとの結び目を 不乱のままに
つらねつづけて針を閉じる
振り返り
振り返りて
兎を置いて
ほをすすめてとおし
積もったほこりは あかるさゆえにちゅうをまい
はこにすれてかぜは てんとてんを夜につたう
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