「象牙の太陽」/shu
ポッカリからりと晴れた日に
ぼくらは浜辺に横たわり
あなたはぼくの胸に聴診器をあてて
―ふむ 聞こえませんね
などと呟いて
いきなり後ろ手に持っていたハンマーを
胸に目掛けて振り下ろし
ガツンとばかりに割ったのでした
そうして二つに裂けた断崖で
化石を見つけるような仕草をしながら
刷毛を注意深くあてて
やがて感嘆の声を漏らし
深いためいきをついたのです
あなたの両手には象牙でできたような
丸いものがありまして
それを波打ち際に置くと
またまた後ろ手に持っていた鬼刀をやおら振りかぶり
目をギラギラさせながら
―この中にはマグ
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