カラ/銀猫
不意に訪れる眩暈のなかで
わたしの奥から
声 でも うた でもない 音 がする
無意識に産み落とした空のタマゴは
曇りの日に次々と孵化し
電子の情報に
右脳と神経を肥大させては
遺伝子の情報を拒み続ける
くらり
背景はまた少し揺れた
先代に見えていた星は
既に星座のかたちを放棄している
不意を突かれた腹腔のなかで
夜の不穏は
心音 でも 呼吸 でもない 生命 を崇拝する
無防備な殻のタマゴは
歴史を放棄し
今日を削除し
骨伝導のニュースと株価に
体温を上昇させる
どくり
体液は循環した
ニューエイジに見える星は
名前をとっくに放棄している から
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