半生記/炭本 樹宏
 

 大学受験の受験料も考えてそんな家庭事情から遠慮して2校しか受けなかった
 世間に出る用意は僕には出来てなかった
 浪人をすることになったが勉強なんてせずにパチンコばかりした
 2年目の受験に失敗すると大学はあきらめた
 その頃心理学にとても興味をもっていた
 人の心を探ることに関心があった
 バイトをしてもすぐ止めて人生に絶望していた
 親や世間の批判ばかりするようになっていた
 親友もいなかった
 パチンコとゲームばかりして将来のうっすらとした不安を感じながら
 日々を浪費していった
 すべて人や国や環境のせいにしていた
 お先はまっくらだった
 生まれた土地の
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