さよなら、少年。/tondemon
 
界は僕だった
僕は一人で遊んでいたんだ

それでももっともっと一人になってしまった
空気みたいに周りにあったものが
いきなりなくなったから
僕は酸欠で倒れそうになったんだ
大切だったって気づいた時にはいつもこうだ
それでも今僕が生きているのは
もう
僕の体のどこかにあった器官が
酸素を必要としなくなったからなんだろう
とても大事な器官だった
全神経が繋がっていたはず
もう
二度と見つからない
どんなに声を枯らしても
もう
誰に助けを求めたって
もう





馬鹿みたいに何もかもが空から零れ出す日に
手に入れたものは何もない
失ったものは少年
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