なんでもできるはずだけど/初代ドリンク嬢
いていた
ボールは私の頭の上に
どんどん
近づいてきた
「落ちてるよ、やっぱり」
ボールが
気の毒になって
言ってみたけど
ボールは
上を見ていた
ボールが羽と言い張ったのは
ティッシュペーパーがくっついてるだけだった
今
ボールを手のひらで包もうとした
その瞬間
空の割れ目から
誰かが顔を出した
近眼だから良く見えなかったけれど
何人か
「あっ、そのボール
とらないで!」
私は腕を引っ込めてしまった
「面白いから
勘違いさせといて」
空から誰かが言った
笑い声が聞こえた
受け取られ
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