今時ネ一緒ン/KEIKO
家に帰ると、人がいた
一人暮らしの僕の家に
彼は、僕だった
僕は彼だった
仕方がないので宅配ピザを取って
二人で食べた
僕の好きな音楽を聞きながら
僕の趣味の話をし
コメディ番組の同じタイミングで笑った
僕と彼はとても気が合った
それも、当然か
僕と彼は同じ人間なんだから
洗濯物が、二人分になった
買い物も二人分になった
家に帰るのが寂しくなくなった
家に帰ると、彼がいなかった
いつも二人でいたはずのこの家に
僕は一人だった
彼は、帰ってこなかった
始めから、一人だったはずなのに
今さらのように寂しくなった
僕の想像力が限界を迎えたあの夜
戻る 編 削 Point(3)