昔の駄文「詩の人称について」/佐々宝砂
私はもともとマンガが書きたかったヒトなんだけれど、絵がぜんぜん描けないのでやめてしまった。しかたないので小説を書こうとしたけどうまく行かない。どうしてうまく行かないかとゆーと、10枚くらい書いたところで息切れがしてくるからである。しかしそれでも小説をうまく書けるようになりたかったので、中島梓(笑)の『小説道場』なんぞを愛読していた。いまを去ること十数年以上も前のことである。その『小説道場』で、私は生まれてはじめて、小説の視点という問題、小説の視点は通常固定されているものだということを知ったのであった。
一方、当時の私は倉橋由美子に耽溺していた。崇拝していたと言ってもよろし。それだもので、
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