ポエム・ミーツ・ミー/あおば
とき
彼女は、
雨だれがぽつんと落ちて
輪になって消えた
と最後を一息で読み終えた
その途端
どこかでしんという音が
大きな音で聞こえたような気がしたが
本当に聞こえたのは
みんなが
一斉に鉛筆を書き殴る音だった
最後を
輪になって消えた、
と書けば詩になると
みんな一斉に理解した
先生はなにもおっしゃらなくて
先生がその時どんな顔をしていたのかも
なにも覚えていないのだが
輪になって消えた、
の前をどう書こうか苦労したのは
覚えている
なんでも好きなことを書いて
輪になって消えた、
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