流れていく何かに乗せて/キナコ
夢を見せてしまったようでした
貴方への謝罪と
貴方への感謝を
この言葉に託しましょう
今でも
総てが昨日であるように
鮮明に
記憶の中に描かれています
千切れた約束も
遠のいてしまった声も
あれほど 傍に居た貴方
触れたいと思った体温は
もう ここには無いのです
いつか
これから先
僕の知らない誰かと
貴方は判りあうのでしょう
流されていく時は
思い出だけ置いていってしまったようでした
夢を見ているようでした
貴方は現実だったのに
この想いを
今更言葉に託してもいいでしょうか?
この場所から
いくら空気を振動させて
内側
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