ランダム/まりょ
ボックスの中の電話が鳴って
初めて聞いた公衆電話の音は
なんだかすごく懐かしくって
受話器をあげたら君だった
たわいのない話を全部済ませて
嘘か本当かもわからない名を名乗りあって
さよならと言ってフックをおろすと
ひとつの世界が終わっていた
ぼうっと光るボックスの
外側で雨が降っていた
*
ハロー僕のモンスター
最後の一撃で祈ってあげる
君のいなくなった世界は
君の居ない世界なんだと
僕は悲しい機械で
コントローラーを握り締めてる
誰かに会ったら情報を聞いたり
適当に外に出て闘っては
経験値とか稼いだりする
ハロー僕のモンスター
かわいいナリして手強いんだ
傷付けあうことしかできなくて
僕は悲しいよ
*
鳴らしただけでは響けないんだ
わかっただけでは動かないんだ
悲しくなって泣いた
それだけだった
それだけで済んだ
立ち止まった僕にできるすべては
歩き出すことだけだった
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