ランダム/まりょ
 
 
ボックスの中の電話が鳴って
初めて聞いた公衆電話の音は
なんだかすごく懐かしくって
受話器をあげたら君だった
たわいのない話を全部済ませて
嘘か本当かもわからない名を名乗りあって
さよならと言ってフックをおろすと
ひとつの世界が終わっていた
ぼうっと光るボックスの
外側で雨が降っていた



ハロー僕のモンスター
最後の一撃で祈ってあげる
君のいなくなった世界は
君の居ない世界なんだと

僕は悲しい機械で
コントローラーを握り締めてる
誰かに会ったら情報を聞いたり
適当に外に出て闘っては
経験値とか稼いだりする

ハロー僕のモンスター
かわいいナリして手強いんだ
傷付けあうことしかできなくて
僕は悲しいよ




鳴らしただけでは響けないんだ
わかっただけでは動かないんだ
悲しくなって泣いた
それだけだった
それだけで済んだ
立ち止まった僕にできるすべては
歩き出すことだけだった

 
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