あいつはあめだまが好きだった。/仲本いすら
 
友人の ポケットにはいってた
あめだまは
しりもちをついたせいで
見事に
粉々になっている

しかし
僕には関係のないこと
僕の頬にはまるまるとした
いちご味が
世界を広げている


友人が テストで100点を
勝ち取って
高らかに笑っていて
それを
妬むヒトがいる

だけど
僕には関係のないこと
僕は0点をとったけれど
あのこを
妬んだりはしないもの


友人の 飼い犬が
行方不明になって
翌日
見つかったとしても

それは
僕には関係のないこと
けれど
少しだけ安心したり する


友人の 大好きなおばあちゃんが
急に雲になっても
いつか
そうなることだもの

それは
僕には関係のないこと
だけど
涙が流れるのは

少なからず 関係っていうのは


あるからかもしれない

ないことは ないかもしれない


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