冷たいキス *短歌もどき*/LEO
肩にかかる雨を解いて
湿った髪を指で梳いて
煙る匂いに瞼を伏せて
あの人がいた夜を
濡れた手の平に
描いている
窓ガラス
ふたつの顔を
映し見て
微笑む目と目
雨の向こうで
笑ってて
顔をうずめる
胸の中
もっと近くに
感じたい
結んだ手
重ねた頬が
とけてくよう
交した声も
微熱を放つ
いくつもの
季節の雨を
肩並べ
ふたり見ていた
今夜はひとり
好きな表情
揺るがない心情
触れたきみ
ひとつひとつを
目が物語る
泣いた日も
笑った日々も
空の下
きみに繋がる
あすに繋がる
雨の日は
すこし寂しい
会えるかな
あしたのきみに
笑って会えるかな
濡れた手の平
ほんのり暖かく
唇に雨は冷たく
時の移ろいを
静かに告げていく
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