出せない手紙/りぃ
手紙を書こうと思う。
それは数年後の自分へ、ももちろんのこと。
過去の自分に向けてへも書きたいと思う。
ただ一言さようならと言いたい。
苦しくて、寒くて、いつも凍えていたような自分を
抱きしめることは出来ないかわりに、言いたいのだ。
ただ、さよならと。
もう泣くことは無い。
もう嘆くことは無い。
これからは、その苦しみも悲しみも
私が一人で背負って行く。
君が昔小さな手で一生懸命受け止めたものを
私が今軽がると持ち上げられるかと聞かれれば
困ってしまうのだが
少なくともあの頃より大きな手で
君を抱き上げることくらいは
出来るようになりたい。
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