未完の涙/
こしごえ
枯れ落ちる
葉の上に声を震わせて
蒸散することのない深さ
やがて機能しなくなるであろう涙の透けた色に眩暈して
ああ雨の夜の崩れゆく慟哭(どうこく)
スローモーションの叫ぶ先に
絶望を吸った土をおおう雪の結晶
の欠片
季節に染まる
涙の味を忘れるくらい時間が
かわけば
私は白く降ることができよう
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