亜熱帯チャイナタウンにて/MOJO
 
 ことが終わってシャワーを浴びても、女たちは帰ろうとはしない。ベッドに戻り、片言の日本語で睦言を囁き、朝になればシャワールームまでついてきて、身体にボディソープを擦ってくれる。なかには朝食のテーブルにまで一緒に座ろうとする女もいる。彼女達はそうやって次の夜も部屋に来ようとするのである。
 私の部屋にもよく女が来た。ルームサービスで好きなものをとらせ、冷蔵庫の飲物はなんでも飲んでよいと言う。ある女は、おそらく暗記しているに違いない身上話を語り、またある女は自分の兄と私が似ている、などと言う。
 女の気が充分にほぐれた頃合をみて、肩に手まわし、バスローブをはずして抱き寄せる。掌が女の肩甲骨の辺りを
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