道の種/蒼木りん
 
街燈に照らされただけの
寂しい夜道を
いつも何気なくみてしまうけれど
それは
めったに人が通らないからで
その夜道を
誰かが通るとき
咄嗟に隠れる

喫茶店の窓から
人通りを眺めるのは躊躇せず
逆に
窓から眺められるとき
品定めされている気がしてしまう

窓から外を眺めてばかりいる私は
お喋りに夢中な雌たちの
柿の種であろう


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