四季/渡邉建志
秋
誕生日の朝
きみと鳥のように目覚める
きみは「プレゼント」といって
窓をあける
そこには
白く輝くパルテノン神殿
見上げればエンタシスが
秋晴れの空をつらぬき
オリンポスの神々が
天から列をなして降りてくる
色の精が天から降ってきて
緑の上で踊るのが見える
色のほうきに乗って
そこらじゅうに自分の色を移している
と
あなたはいう
まわっている雪の結晶
みあげている
あなたの
くびすじ
まぶた
まゆげ
めもと
みみ
まわっていたのは
冬
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