サウナとヤンキーにいちゃん/MOJO
むかしの話をひとつします。
スーツを着て朝早くに出社し、夜遅くまで仕事をしていたころの話。
当時のおれはクルマで通勤していて、会社帰りの運転中に日付が変わる事もめずらしくなかった。
おれの自宅はある私鉄沿線の急行が停まる駅に近く、その駅のロータリー付近にサウナが新規オープンした。
ある晩、運転中に日付が変わり、おれは自宅に戻る前にそのサウナで汗を流す気になった。駐車場には紫色のセリカが一台のみ。セリカは車高を落し、太いタイヤを履いている。
受付で料金を払い、ロッカーで服を脱いだおれは、ぶかぶかのサウナパンツをはいて浴室に入った。
だれもいない。
しかし浴槽の横
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