言の葉/LEO
 
草をはむ靴音を
幾度となく確かめて
渇いた枯れ葉の上に
柔らかい音をたてた

それ一枚ずつに
言葉があるかのようで
カサコソと囁いては
木漏れ日に揺れ
風に流されもする



かの想いも
青いままでは届かずに
呟きのように吐いては
落として歩く

伝えたい言葉は
いくつあったのか
靴底の温度を
知る術はなく
枯れ葉の囁きだけを
聞いている


‥忘れよう
‥忘れられない


最後の言葉を待たずに
記憶は遠退いていく

秋の日に揺れたままで



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