ラムチョップのおはなし。/仲本いすら
プは・・・ラムチョップはどうなってしまうんですか!」
声を荒げる男の目頭は、当に熱くなっている。
「あれが届かないかぎり・・・なんともいえませんな」
しかめっつらをしたままの医師に掴みかかるシェフ。彼の拳はラムチョップの油でギラギラと輝いていた。
「どうして・・・どうしてなんだ!!!どうして、オレンジソースじゃないといけない!!
別に・・・別に・・・・しょうゆだってウスターソースだっていいじゃないか!!」
「それではラムチョップの本来の味が死んでしまうんだ!」
二人の叫び声がこだまする中、ラムチョップはオーブンの中で焦げてしまっていたそうな。
※ これらの物語はすべてフィクションです。
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