領域、その人の/霜天
 
くて
            あんなにも遠くへ
0か1かの夕暮れ
当てはまらない人たちの
行列はどこかへと行く
0か1かの夕暮れ
手に入らないというよりも
何も無いというよりも
    葬列
    風が吹く
    鉄塔、電線が鳴る
    その日つめたい朝に
    ただ、ひゅーんと鳴る
    ひゅーん、と
その朝は終わって
あの人と同じ高さから
いつもと同じはずの街を見ている
変わらない、ここも私の世界だ
爪先立ちをする、おろす、息を、吐く
暖かい朝、0と1と
そこから外れた人の視線は
もっと、もっと高いところへ
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