柔軟剤から紅玉/
蒼木りん
は
綱渡りのバランスとり
意味不明
茶の間はいつも
現実であり
止まらない時間があった
食事を知らせ
食べて寝て
ちゃんと朝がやってくる
三十年前の蛍光灯が
まだ点くなんて
信じられるかい
タイムポケットの中で
わたしは紅玉を磨いている
磨けば
麗しい紅になることを
知って買ったのだ
いつかは齧ってしまう
壊しているのに
何故にこんなに快感なんだろう
そして甘美だ
そんな想像をしながら
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