ネットワーク(ネオとトリニティ)/Terry
 
4.
 朱音は愛の夢を作曲するが、どうしてもショパン?世を超えられない。不可能という三文字が重たくのしかかる。限界であろうか、手の届かないものに無理して手を伸ばしている。それを見かねた冴子は親身になって協力をする。冴子は朱音がこの仕事を選んだときに、もう朱音が演奏家として活躍することを断念していた。もう一度あの小さな朱音と音を共有できる。朱音が幼少の頃を懐かしんでいた。冴子も音質の限界と戦っていた。
「スラーがかかってないわ。音と音が離れてしまっているわ。ピアノの演奏を忠実に取り入れるのよ。」
二人のバイオリズムが MIDI の傑作を生み出そうとしているのか。
 だが、クライアントの評価は
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