三部作/瓜田タカヤ
 
ビーカーを
押しつけられて
濡らすことに
ゴムブレインを
薄く冷たく膨張させなさい

「未来雨の紅茶と吹き出し」
亀に付着した泥を払い落とし
甲羅に両手を押しつけてみたけど
これは入れないんだ

海には入れることを
私は知っているのかしらん
黒いカガミ黒海面のふかくに
俺の考えた超人が
俺を無視して立ちつくしている

疲労した両足の付け根からは
血管がはみ出して冷却を吹き出しているというのに
見えない超人は闇の海面ごと
俺の背ビレをくわえうずくまる

真夜中を雷雨で刻み
残像で頭が外れていたのだ
けだるいプラレスの残骸体
吹き出すバクテリアは指の間
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