無意なる旋回/「ま」の字
 
  無意なる旋回

           ―鳥たちは旋回し
            そらに 籠のようなかたちを編みなし



鳥はそらをとぶ魚
地は往かず
なのになぜ
鳥のみが
寂しい風土性を暗示しているのか
ほんらい魚ならば
あらたなる命と あらたなる大地とを
ういういと表象しうるものを
羽ばたき 軋む 骨格のゆえか 
それとも
軋る骨の内部にほそぼそと伝えられきた捕食と逃走の系譜に
飽いた髄液の寂寥のゆえか
生きること および世界の立ちゆくことをかたちづくる なにか
かれらの運動の軌跡と現れなす なにか

それが天空に浮かぶ船でもない
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