裸眼の行方/こしごえ
きっとくる
いつものことながら
風は 遅れている
いっそ青の真空中の扉の
鍵を稲妻であけてしまおうか
ウロボロスの純真は
宙にくちづけして
星を孕んでしまったようだから
いつからか
庭園の世界樹は
実をたわわに
いまにも途切れそうにいるけれど
ふくらみすぎた意識らは
遊戯をやめず
私のエロスを宙に放る
視点は次元の回想
進化論に未だ
姿をみせぬ星たちは
過去に目覚めた羞恥心に酔っている
再生の朝
空ろな目をした
少年の風が駆けぬけていった
※ウロボロス=自分の尾を呑み込む竜(ヘビ)。
「終りのないヘビ」という無限を象徴する円環を成す。
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