続編なし/
吉岡孝次
たとえば甘酸っぱく、人生を感じ取ること。
真夜中にコーラを飲んだり
誰かの訃報を期待したりしながら
シャープペンシルの新しいデザインを
考案するある種の好事家であること。
肝心な時に限って
鳴る電話のベルを無視できないでいること。
一片の死に値するか、僕の詩の技巧は。
僕の、一編の詩の技巧は。
(ふたつのタイトルを必要とし、
続編はない。)
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