隷属者たちへ/松本 卓也
 
君がはしゃぎながら口にする
何だか騒がしいだけの歌はさ
元々は昔の哀しいお話なんだぜ

だけど君はニヤニヤと
崩れた表情を晒しながら
唾を飛ばしながら歌ってんな

カバーだかパクリだか
言葉を変えてみようとも
その声を通して垂れ流す

情けないほどのナルシズム
笑えないラブアンドピース
偽りに喉を震わせて浸ってんの

置いてけぼりの言葉と
陶酔に浮かんだ表情が
満足げに自分を語てんのさ

言葉を従わせたつもりでも
誤魔化せやしないと思えども
誰が知ってやれると言うのかね

君が歌った言葉の意味と
君らが聞いた物語の結末を
捻じ曲げんでくれないか
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