PIGSTY?/暗闇れもん
み上げてきた。
昨日のことを思い出し、体が震えた。一生懸命に頭からそのことを追い出すと平然を装った。
「別に、ただ親と進路のことで喧嘩しただけ」
私は、直子から今の自分がどう周りに思われているか聞き出すつもりでいた。それに家に今監禁されている両親のことも気がかりだった。
直子はそれを聞き、安心したように微笑んだ。
「なんだ。それなら、うちに泊まれば良かったのに。うちの親なんて共働きで帰りだって遅いし、私になんか興味も無いから部屋に一人ぐらい泊めても気付きもしないよ。今朝、いつもの様に綾香を呼びにいったらさ、おじさんが青い顔をして出てきて『綾香は家出した』なんていうからさ。びっくりしたよ」
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