言葉/一代 歩
 
満ち足りた生活
きみはわたしを愛しているから
なんの不安も不満もない

蝶のように危なげな
わたしを見守り
声さえあげず

じっとひとりで祈ってた

わたしがきみに与えたものは
きっと言葉ひとつだけ

意味を成す語に
初めて触れた
オウムのように
繰り返す

「きみはぼくのもの」

「きみはぼくのもの」

「きみはぼくのもの」


この言葉

いつか言わずに済むように
してあげられたらいいのにね

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