雨、君が傘もささずに帰る頃、誰かが一人で眠る頃/AB(なかほど)
 
 



明日の今頃



赤い傘に



黄色い合羽に



踏みしめた道に



バスのワイパー越しの



瞳の奥に



閉じた瞳の向こうにも



明日の今頃、君が傘もささずに帰る頃、僕が切符を握りしめる頃、誰かが一人で眠る頃、子供の日々を思い出す頃





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立ち上がる老人と
手を繋がれた子供が
噴水の向こうに
ぼやけて

それはただ
うるんだせいだよ
とゴミ箱のカラスが
咳をして 
ガガ


君が傘を置いて帰
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