秋7首/一代 歩
 
りりるらら春に聴いてたメロディを小声で歌う秋空のした

過ぎ去りし振り返らない思い出の顔を忘れたことに気づいた

キッチンの隅で出番を待つ土鍋 吐く息白く浮かぶ冬まで

冷えてゆくほど澄んでいく空ならばいつか想いも星になれるか

口実は“秋の味覚のおすそわけ”君に会うため栗が必要

嘘だった。君の手いつも熱いもの。“手が冷たけりゃ優しい”なんて

風に舞う落ち葉の横を通り過ぎまだ残ってる花火に懺悔





戻る   Point(6)