剣/夜月 深燐
 
私が持つ剣は血で濡れている

これは誰の血だろうか

私を裏切った友の血か

それとも私に立ち塞がった敵の血か

やはり、敵味方と区別してもこの紅き血は同じらしい

それならば何故人は争うのだろうか

欲や理性などはもう要らない

私は私を捨てるのだから。

その為に、この剣だけではなく私の体も血で染め上げよう

私を殺せばこの苦しみから逃れられる

この、血を血で拭う救い無き地獄から
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