或る朝/
 
或る朝 目覚めますと
偏頭痛に襲われまして
強迫観念から詩を書きました。

書き終えますと
今度は耳鳴りがしまして
強迫観念から「すべて選択」をクリックしました。

画面一杯に羅列された文字は
すべて紺色に覆われ 贋作だとでもいうように
歪な形の階段に早換わりしました。

そろそろ こんな馬鹿はやめようと思い
パソコンの電源に手をかけると 悪寒がしまして
強迫観念から「Back space」キーを押しました。

詩とやらは 跡形も無く消えました。
詩とやらは 歪んだ観念から生まれ
取り残された私に面影のひとつも託さず 死にました。

もう二度と あんな詩は書けません。
そしてもう二度と あんな詩は書きたくありません。

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