渦の底に積もりゆくレゾンデートル/紫音
集まり群れて
昇華されゆく時の中
足早に過ぎる回想の化石たち
ホームに駆けてゆく想いの数と
すれ違う人波の潮
微かに漂う意識の焦げ臭い、
螺旋状に流れる白い煙
更新されてゆく時代の片隅に
目に見えぬ微細なワダカマリが
今日の終わりに凝固する
やりきれない思い
行き場のない憤り
掠れゆく情熱と夢
その全てが
日の終わりに
陽とともに沈み
堆積して遺物となる
聞こえてくるサイレン
遠ざかる喧騒
鬱蒼と林立するグレーの圧迫
黒に染まるアスファルトの脅迫
白線を踏み越えたその先に
沈澱してゆく人の情念
全てを呑み込みながら
都市の見つめる
寸ほどのレゾンデートル
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