すこやかな夜/
プテラノドン
どうして夜遅くになると、街灯に
目を奪われたりするんだろう―
都市、男が細い路地からアパートに向かって
詩を暗唱している場面に出くわした。
溝川の底がくっきりと見えたような、
しかも砂の上に誰かが投げ入れた指輪が
そんな偶然ってあるのだろうか―、
ジャングルの奥地にひそむ未知なる蝶が
みずからこちらへと飛んでくるなんて
ことが?
街灯を見る僕の心は空っぽ。
虫かごみたいに―
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