のろのろ/炭本 樹宏
 
 
 のろのろ時間は僕の前に
 のっしり座り込んで
 僕のことを見ているのです

 壁の向こうには未知の世界が
 こじんまりとあるはずで
 そこには僕は行けないのであります

 頭が少し重たくて夜の重みを感じます
 友達は皆僕の胸の中で腐らないように
 冷凍しています
 
 終わることのない時間の揺りかご
 まっすぐに吐き出すことを
 忘れてしまった情熱

 のろのろとそれでも時間は
 のさばっています



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