平日休み/蒼木りん
駄々をこね泣き叫ぶ子どもの声に
不思議な感慨
そんなに大きな声で
我の欲求を叫べるなんて
呆れるような羨ましいような
私の幼い頃は
母の要求の声のほうが
大きくて強かったから
まっすぐに耕された畑
猫が通り道にして歩いてゆく
白い足先そろり
セイタカアワダチソウ
本当は
猫はスリルがすきだ
秋の空が高いのは
雲が遠いから
コインランドリーや
精米機は
儲かるんだろうか
後ろめたい平日休み
たばこが不味い
あと五ヶ月
指折り数えても
私を晒さなければならない
その場を凌ぐばかりで
いったい
私はどんな人なんだろう
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