朝帰り/こしごえ
 
「      」

昨夜のあいさつは、耳からこぼれる雨のよう
に切なく潤い熟し、さららと色を空を映す欠
けては満ちる月の鏡。

お早う
もうこんな時間
そろそろ失礼します

耳に残った微熱の艶を無風にさらして凛と門
を通り抜け曲線に沿って鼻歌にすべらせる白
亜の恋歌。

(時が来れば咲きます)
おお冷える
もう懐かしい うふふ

しらみはじめた早朝に、影を濃くしつつさっ
ぱりしっとり笑い身を結び新たに今日を始め
て、広がる水球のように愛してる

朝に帰ります。







※「水球」は、ここでは単に水の球とする。


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