『注文するドリス』/プテラノドン
 
ドリスは世界中の言語を使いこなす。アマチュア無線も。
電波の類はお手の物といった感じで、彼女は
星のあかりさえ消すことができた。
ドリスは注文する。「自画像を描きなさい」とか、
「表現する前に表現しなさい」とか、今までにも、
数え切れないほどの注文をしてきた。
だから忘れないようにと、君はメモをとったりする。
その際、そこに居合わせた人にばれないことが肝心。
何かしらの不信感を抱かれること確実。ただし、
「魅力に不信感はつきもの。」とドリスは言っている。
(君のメモにそのことは書かれていなかったが)
とにかく街では様々な魅力が溢れかえっている。
とてもよい兆候だ。
 ドリスの人気はいよいよ世界に広がりつつある。
インタビュアーはイヤリングが派手すぎると
ドリスを前にして言ってのけた。勇気は認める。
しかし彼女は鏡に向かって言っただけだ。

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