靴の詩/むらさき
ゴージャスなイタリア製のブーツ履いて
電車に乗り遅れまいと走ったときに
ヒールが折れて
あたし
電車のがす
100足の靴の中
磨かれ待ちの靴が20足ほど
ヒールの修理待ちが20足ほど
雨の中を歩けない靴が20足ほど
痛くて歩けない靴が20足ほど
本当は趣味じゃなかった靴が15足ほど
おしゃれした時に履く靴が4足ほど
本当に手放したくない靴が1足ほど
思い切り走れそうな靴は0足ほど
あたし
雨が降ったから
はだしで
走る
マスカラ取れて
黒ずんだ
目
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