『アナタ ハ ト サメマシタ?』/川村 透
 
ア サ?
  メ?が、さめたら
 ナマエが、なくなっていま
  シ
  タ。

 タ?
   
 ハト?

ベッドのまわりは一面、ハトのむれ
灰色のモウフみたいにウメツクサレ
足のふみばもない。
ト、ハト、タチ、ノ
中からひときわ大きい一羽が羽ばたいて、
あおむけにねころんだネボケタ、カラダ、に、ちくり、と着地した。
ト、ハト、
パジャマの胸を小さく、ワシヅカミ、シナガラ、
くびからあごへと、セマテクル
オナマエハ?
たずねるように首をかしげたままニラムンダ
ト、ハト、
ワシワシ、
小さく羽をひろげてまた閉じた。
デ、至極、あたりまえのように、

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