恋の果実/いとやん
 
心の中の風船は 知らないうちにふくらんでいたから
割れるのが怖くて 君に近づけなかった

ぼくの目に映るだけでよかったのに
いつしか近づきたいと思ってしまって
でも勇気がなくて 足踏みして
時だけが過ぎていく
恋の水をもとめるぼくの心の花
迷い込んだこの街に道標はない

風船がふくらむほど 悲しみの果実も大きくなっていく
君をみるたび 一人になるたび 出会いのいたずらのせいにする
時は流れ 今年の秋がやってきた
木の葉たちが とりどりの色をつけるように
ぼくも ぼくだけの色を出したい
生きている証を残すための旅は 永遠に続く


あなたはぼくのことを想ったりはし
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