ねこみみをつけたがるおんな/あおば
竹槍の穂先を炙って
幻の本土決戦に備えた
井の中の蛙の心根と
いまから考えると
可哀想なくらいな
勘違い
動物的と決めつけられた
島民と国民は
猫耳を付けて
化けて出ようかと
そんな昔の話を思い出す
ふさふさで
まっしろな
ねこみみつけて
ブーツを履いて
バックを持って
おしゃれに闊歩
ウインドショッピングするの
今どきの
女子中学生はなにを考えているのかと
小父さんは怪訝そうに眺めている
娘の親の小母さんは
娘のしたがることは
よく分かるという顔して
一緒に歩く
そんな小母さん
横目で見ながら
キタキツネの缶詰の中身は
誰も見たことがないとは
言ってくれるなよ
草臥れかけた小父さん
そそっかしい
そこのおっかさん
猫耳の由来は
ようく
知ってるよね
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作(2005/05/27 タイトルは「poenique」の「即興ゴルコンダ」
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