夜まいごと/炭本 樹宏
 

 生きることをあきらめはしないけど
 やりなおせるならやりなおしたい
 世間の荒野を前をむいて進む

 災難は忘れた頃にやってくる
 でも恐れていては前にすすめないよね
 さだめどおりに生きて行こう
 行きつく先がどこになろうとも
 胸の情熱の花を枯らすことなく生を焼き付けよう
 神から授かった命の灯火とともに生きて行こう

 まだまだ続く坂道で
 息を切らすこともあるだろう
 豊かな泉を見つけて天を仰いで叫ぼう
 この星にこの場所でできる限りのことをしよう
 真っ直ぐな道ばかりじゃないだろうけど
 この瞳で澄んだ瞳で真実をみつめよう

 狂った僕の感性は
 夜に目を光らせる妖怪のよう
 なにを言っても始まらない
 軽い絶望のまくらに頭を埋めて
 あてにならない希望の布団をかぶって
 眠りの世界にヒラヒラと落ちて行こう

 
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