スプートニクの泣いた話/
蒸発王
ああ
どうして?
僕は
感情なんて
感覚なんて
ココロなんて
無いのに
―もう、会えないなんて―
―カナシイ、なんて―
―涙、なんて―
『一緒に行こう。オオイヌ座になろう。』
彼女の死体を抱いて
大気圏に落ちて
燃え尽きる瞬間
スプートニクの機体からはがれた
破片は
流れ星になって
地上に降りました
まるで涙のようでした
戻る
編
削
Point
(9)