スプートニクの泣いた話/蒸発王
 



ああ
どうして?




僕は
感情なんて
感覚なんて
ココロなんて
無いのに

―もう、会えないなんて―
―カナシイ、なんて―
―涙、なんて―





『一緒に行こう。オオイヌ座になろう。』










彼女の死体を抱いて
大気圏に落ちて
燃え尽きる瞬間


スプートニクの機体からはがれた
破片は
流れ星になって
地上に降りました





まるで涙のようでした






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