詩の書けない夜に/
ZUZU
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする
風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする
空がねむると
空のなかに
ほんとうの空がうまれて
夜にかわろうとする
夜がねむると
夜のなかに
ほんとうの夜がうまれて
僕とねむろうとする
僕はねむらない
僕のなかに
ほんとうの僕がうまれるまで
詩がねむると
詩のなかに
ほんとうの詩がうまれて
木をうたおうとする
戻る
編
削
Point
(15)