詩の書けない夜に/ZUZU
 
木がねむると
木のなかに
ほんとうの木がうまれて
風にふれようとする

風がねむると
風のなかに
ほんとうの風がうまれて
空にとどこうとする

空がねむると
空のなかに
ほんとうの空がうまれて
夜にかわろうとする

夜がねむると
夜のなかに
ほんとうの夜がうまれて
僕とねむろうとする

僕はねむらない
僕のなかに
ほんとうの僕がうまれるまで

詩がねむると
詩のなかに
ほんとうの詩がうまれて
木をうたおうとする


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