植物みたいな愛し方/
kw
雄株は欲情に駆られ
自慰を繰り返し
めしべは空気中から
出所不明の花粉を受けて
子を宿す
植物界は古より
一婦多夫世界を構築している
誰も僻まず
誰も疑わず
動物は一人きりを愛す
嫉妬に苦しみながら
僕は植物になりたい
理性の檻は要らないんだ
胸の軋みに耐え抜いた先に見えるのは
弛んだ皮膚とくすんだ瞳
褪せた光景
僕は愛したい
世界中の人を愛したいんだ
唯一の相手しか大切に出来ない人間は
余りにも狭量だ
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